2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

カント「道徳形而上学原論」(岩波文庫)第二章55〜59段落

(55)以上のような原理は非経験的なものに由来するという。その理由は、原理の普遍性を担保するためであるというのが一つ。個別具体的な格律ではそれは普遍性は持たない。カントが構築しようと目指しているのは、理性的存在者一般に通ずる普遍的原理である。…

カント「道徳形而上学原論」(岩波文庫)第二章49〜54段落

(49)この段落では、かの有名な命法「君自身の人格ならびに他のすべての人の人格に例外なく存するところの人間性を、いつまでもまたいかなる場合にも同時に目的として使用し決して単なる手段として使用してはならない」を掲示している。 この命題が成立する…

カント「道徳形而上学原論」(岩波文庫)第二章45〜48段落

(45)ここまでの議論をまとめると、全ての理性的存在者が自己の格律を普遍的法則となるように欲し得るものとして行為を選択することは、必然的法則であるか否かということが問われている。主観的な行為格律が法則と結びつくという法則は成立しているかとい…

カント「道徳形而上学原論」(岩波文庫)第二章42〜44段落

(42)このような定言命法の導出を、「人間本性」から行ってはならないとカントは言う。 そして、この原理は「すべての理性的存在者」に妥当すべきであり、だからこそこの原理が表す「義務」は全ての人間に対しても法則として措定されなければならない。 つ…

カント「道徳形而上学原論」(岩波文庫)第二章36〜41段落

(36)続いて<他人に対する完全義務>の例示をしている。"「私はいま本当に金に困っている、それだから金を借りようと思う、またいつになっても返す当てのないことを承知していながら、(偽って)返済を約束するつもりだ。」”という行為格律を挙げ、この行為…

大学は春休みもあと一ヶ月とか冗談勘弁

一見多そうに見えますが、思想地図やミカドの肖像はかなりの日数かけて読んだので水増しみたいなもんですね。 松岡正剛氏が「ギア」という言葉で読書における調子の善し悪しのようなものを表していますが、僕はこの月大変不調でそのため小説が多めです。とい…